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by a_villager

リサーチ部門における問題


昨日のNew York TimesのDealbookに投資銀行、いわゆるセルサイドのリサーチについて面白い記事が載っていた。



Analyzing Wall Street’s Research
August 11, 2008, New York Times Dealbook


シリコンバレーの有名企業の新規上場をこなしてきた投資銀行家Frank P. Quattroneが今の投資銀行のリサーチ部門のリサーチの質の低下についてコメントしている。

その質の低下の原因として、ITバブルの後にできた規制によって投資銀行部門とリサーチ部門とのコミュニケーションを殆ど絶たれたこと、またリサーチ部門の収益ベースを投資銀行部門から分離させて、独立ベースか、もしくはトレーディング部門と合わせたことを挙げている。

その結果として、リサーチ・アナリストが投資銀行部門を通じて得られてきた知識、企業への調査のアクセスが絶たれたり、アナリストの高給に見合うだけの収益がリサーチ部門から得られなくなって、待遇が下がったり、リサーチ部門の縮小・閉鎖を招いた。

これによって、優秀な(+高給取りの)リサーチ・アナリスト、またはこれからリサーチ・アナリストを目指す人は投資会社、ヘッジファンド、PEファンドと言った、バイサイドに流れてしまった。それによって、リサーチの質が落ちてしまった。

また、トレーディング部門と収益ベースを合わせられてしまったリサーチ部門は、トレーディング、ブローカレッジで収益が得られる上場大企業へのリサーチばかりを行うようになって、将来の発展が見込めるはずの小規模のIT企業の調査を行うアナリストがいなくなり、そのような投資機会に投資家のお金が流れなくなったことを指摘している。

リサーチ・アナリストの仕事は、機関投資家から見れば、単純な買い・売りの推薦ではなく、その企業、産業の性質・動向を分析することにあって、それを頼りに投資判断をしているから、今のアナリストの質の低下、フォーカスの偏りは深刻な問題だと。

リサーチの独立性を重要視しすぎたために、このような問題が起きたと指摘して、これからは徐々にその規制を緩める方向に持っていかないといけないと。リサーチの独立性と、質と、そのトレードオフ(2つは必ずしも相反するものじゃないけど)のどこで折り合いをつけるか。

“I am not denying that there is the potential for conflict ― always has been, always will be. I’m just questioning the best means of managing the conflict,” he told me after his presentation. “If the principles of what constitutes ethical and unethical behavior are spelled out clearly, such as disclosing the firms’ investment banking relationships and ownership interests in the covered security, as well as not publishing favorable reports on companies in which you do not believe ― and violators are punished ― the conflicts will be managed.”


何が何でも規制でがんじがらめにするよりかは、原則をハッキリして、それから大きく外れたら厳しく罰する方向に持って行くべきだと。。。でも、こういう原則重視の規制って、アメリカよりイギリスの方に長い歴史があって、アメリカはもっと法律で1行1行明記しているやり方だから、どこまで実現できるんでしょうかね、と、資格試験で勉強したイギリスはPrinciple-based regulationっていうところで少し知ったかぶりをw 実際のところ、Principle-based と Rule-based はどう違うんでしょうかね。。。と疑問に思ったけど、法律がらみの勉強は嫌いだから、調べる気も起きず。。。
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by a_villager | 2008-08-13 00:53 | 投資